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マニフェスト研究

05.医療政策

薬に頼らない医療

薬に頼らない医療‐医療政策

政策提言として

日本における年金・医療・介護等の社会保障費は増加の一途をたどっており国民生活に大きな負担をかけていますが、急激な少子高齢化が進行が大きな要因となっています。

団塊世代や団塊ジュニア世代が後期高齢者となる大きな波が、社会保障費の大幅な負担が予想される中、今後の社会保障の在り方についても、人口の高齢化や支え手の減少に対応した持続可能なものとすることが重要であり、給付と負担の在り方に加え、就業対策による担い手の拡大、関連する施策なども視野に入れて、一体的に見直しと取り組みに関する議論の余地があります。

社会保障費の中で3分の1を占めるのが医療費であり、医療費を適正に抑えていくことは、財政を圧迫している社会保障費の軽減に繋がっていくのです。

背景

  • 高齢化社会のために医療費が増大している
  • 技術の進歩による医療費の高額化
  • 社会保障費は年々増え続けている
  • 社会保障費の増大は国民生活に負担を与えている
  • 少子高齢化に加え団塊世代と団塊ジュニア世代の波が予想される

根本的な原因

  • 後期高齢者世代の人口の増加
  • 医学の技術が進歩したことによる新技術の導入
  • 疾病構造の変化と対象の変化
  • 地域住民の知識不足による不必要な医療行為

質問と提言例

 年金・介護・医療に関する社会保障費のは、日本全体はもとより地域社会にとっても財政に大きな負担をかける要因の一つですが、高齢化社会が進行している状況では今後も増大していくことが予想されています。
 中でも社会保障費の全体に占める医療費の割合は3割を超えており、高齢化に伴う医療費の増大による財政への負担は非常に大きなものになっているうえ、医学の進歩に伴う新技術の導入は、地域住民の健康を守るために貢献してはいるものの、高額な費用がかかっているのも事実で、さらなる医療費の増大の要因ともなっています。
 医療技術の進歩によって感染症などの急性疾患が減少してはいますが、成人病などの慢性的な病気が増えてきている現在、継続的な医療費の負担があることで、医療費を抑えることが非常に難しい状況です。
 社会保障費の問題に関しては日本全体で取り組むべき課題ではありますが、地域社会で出来ることを地道に進めていくことが必要で、たとえ小さな取り組みであったとしても地方自治として取り組み可能なものを推進すべき状況であると感じています。
 医療費が増えてしまう要因の一つとして、受診の必要のない風邪などの軽度な病気でも安易に医者に罹ることで医療費が無駄にかかる問題がありますが、地域住民の医療に関する知識の不足から不必要な受診をしてしまう原因だと思われます。
 そこで、不必要な受診を減らしていくために、医療機関と連携して地域住民の医療教育を行っていくことに対する支援と対策について質問させていただきます。

社会保障費とは

「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民に健やかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」を指し、具体的には社会保険または社会扶助の形態により、所得保障、医療および社会福祉などの給付を行うものです。

そのために歳出する政府予算が「社会保障関係費」で、一般にこれを「社会保障費」と呼びます。

社会保障費(社会保障関係費)には、政府予算のうち、医療、年金、介護、福祉などの社会保障制度にかかる費用が含まれますが、政府予算では、社会保障費が歳出に占める割合は35%前後に相当し、社会保障が歳出に占める割合は年々増加しています。

医療費は何故増えているのか

日本の医療費は平成12年に30兆円を超えたことが報道されましたが、医療費がこれ以上増え続けると国の財政が大変になることが予想され、国民も医療費の多さに驚きを隠せないですが、そもそも何故医療は増えているのでしょうか。

◇医療費の自然増

  • 人口の増加
  • 人口の高齢化
  • 医学や医療の進歩による新技術の導入
  • 疾病構造の変化と対象の変化

人口が増えれば、その分自然と医療費も増加していきます。

加えて高齢者増えることで、病気に罹ることも多くなり、一人一人の医療費は変わらなくても全体的には医療費は多くなってしまいます。

医学が進歩して新しい医療技術や新薬が開発され、内視鏡検査機器・超音波診断装置・CTスキャン装置・MRI装置・PET装置など精密機器で高価な新しい医療機械や器具などが使われるようになれば、必要となる費用も加わることになります。

治療の対象となる病気も大きく変わってきていますが、感染症などの急性疾患が抗生物質などのお陰で減少してきている一方、癌、高血圧や心筋梗塞などの循環器系の病気、脳卒中などの脳疾患、糖尿病・慢性腎不全・メタボリックシンドローム・肥満・慢性肺疾患などの生活習慣病による慢性的な病気が増えてきており、治療に高価な薬が使用され治療期間も長期にわたることで医療費は増えていきます。

自然増による医療費の負担はどうしても避けれれないものではありますが、日本の問題だけでなく、先進諸国で抱えている共通した問題です。

◇日本特有の医療費の増大要因

  • 病床数が多く在院日数が長い
  • 薬剤価格が高く薬剤使用料が多い
  • 医療材料価格が高い
  • 検査が多い
  • 受診回数が多い
・日本の入院事情

日本では社会的入院といわれる医療上入院治療が必要なくなってからも、社会復帰まで回復するための療養する環境が自宅では整えられないために入院し続ける患者がおり、在院日数が長期化する原因となっています。

最近では入院日数による入院基本料の逓減制が社会保障制度に導入されたことから、急性期病床の在院日数は減少してきた一方、患者や家族側から見ると、病院から早期に退院や転移を迫られるために、居住スペースが狭く核家族化が進み家計にも余裕がない社会環境のせいもあり、患者本人や家族に対して負担を増していることも事実です。

・日本の薬価事情

日本の薬剤価格は、欧米諸国と比べると非常に高く設定されており、医療費における薬剤負担の割合が欧米諸国の10~20%に比べ日本の薬剤負担は30%を超えています。

日本の薬価が諸外国に比べどれだけ高いかというと、不整脈治療に使われる「リスモダン」という薬は日本では1錠90.5円に対し英国では14.3円、比較的薬価が高い米国で66.8円、血管造影剤の「オムニパーク」という薬は日本では100mlで14,709円に対し仏国で5,244円、米国で12,854円と、厚生労働省が保険で決めている日本の薬価は世界で一番高いものが多いです。

製薬業界に欧米の外資系製薬会社が続々と日本に参入している背景には、同じ薬が世界で一番高く売れる日本が外国企業にとってとても魅力的な市場だということです。

厚生労働省が薬価を高く設定している背景には、日本の製薬業界の最大の組織である東京医薬品工業協会(東薬工)と大阪医薬品協会(大薬協)の理事長などの幹部職が厚生労働省の局長経験者の天下り先となっていることが無関係ではないようで、日本で使われている薬価を外国並みに下げるだけで、数兆円の医療費が節約できることを知っておいた方が良いでしょう。

ちなみに、安い後発医薬品のジェネリック医薬品や心臓ペースメーカー(日:160万円、英:30万円)、血管用カテーテル(日:26万円、英:6万円)に関しても外国背の医療材料の価格も外国と比べると非常に高く設定されています。

日本の患者の薬好きは世界的に有名な話で、病院や医師は薬を出しすぎるといわれてきましたが、薬価差益と呼ばれる病院や診療所が薬を出すことで得られる利益がなくなった今でも、多くの薬が使用されており、世界で一番高い薬を世界で一番多く使用しているのが日本の現状です。

・日本の検査事情

病院や診療所に行くと、様々な検査を受けることになりますが、検査の回数が多かったり、必ずしも必要ではない検査を安易に受けているのではないでしょうか。

医療分業の推進や薬価差益の解消などの制度改革によって、薬漬け医療については少しずつ改善されてきてはいますが、まだまだ検査漬け医療というのはなくなっていません。

検査が本当に必要かどうかを判断し、指示をするのは医師なのですが、検査の必要性を判断する医師としての力量を問わざるを得ませんが、なんでも検査をするような医師を患者が選ぶことも大切なのかもしれません。

最近では、保健医療で可能な検査の種類や回数を厚生労働省が制限するようになりましたが、本当に必要な検査まで制限されてしまうことにもなるかもしれませんので、今までの検査漬け医療の反省として今後も様子を見るべきです。

・日本の受診事情

いつでも好きな時に診察してもらえることは、日本の国民皆保険制度の大きな利点の一つですが、ちょっとした風邪やかすり傷でも病院に行く人が多いことも確かです。

外国ならば医師に罹るまでもない患者が病院や診療所を訪れているために、病院では多くの患者を診ることになり、結果的に医療費が増大していくのです。

一定額以下の医療費については社会保険の対象外として自費診療にすべきだという、社会保険の免責制の導入が厚生労働省で検討され始めており、大したことのない風邪やかすり傷程度の自分で治せる病気に関しては医師に罹らなくなりますが、重大な病気を見落としてしまい病気が重症化する問題もはらんでいます。

医療に対する地域教育

医療に関して大切なのは、風邪やかすり傷などの「ありふれた病気」についての、地域住民全体に対する医療の教育が必要であり、マスコミや健康雑誌などで病気に関する知識を広めることも大切ですが、小学校から高校までの初等・中等教育の中に、ありふれた病気や生活習慣病についての教育を行い、地域住民一人一人に病気と治療法についての知識を増やしていくことが最も大切なことだと思います。

◇風邪の正体

今までに風邪をひいたことがないという人はいないでしょうけど、風邪というのはありふれた病気の一つであり、数日程度で自然に治ってしまう病気ですが、風邪に対する正しい知識を持っている人は少ないです。

風邪の定義は「自然に良くなる上気道のウイルス感染症」というものですが、上気道(鼻や喉)にウイルスが感染することで風邪を発症します。

ここで風邪の定義の中で注目してほしいのは「自然に良くなる」という点ですが、薬などを飲まずに放っておいても治ることを意味し、本当の風邪であれば、医療機関を受診する必要がないということなのです。

・風邪の時は病院に行っても意味はない

日本人の風邪にまつわる誤解はたくさんありますが、中でも一番誤解していることは「病院に行った方がいいと思っている」ことなんだそうです。

「ライノウイルス」や「コロナウイルス」をはじめ、風邪の原因となるウイルスは200種類以上あるそうですが、全てのウイルスに効く薬はないそうで、本当の意味で「風邪を治す薬」というものは存在しません。

もともと自然に治る病気なので、病院や診療所に行く必要もないですし、むしろ体調が悪い中で待合室で待たされるだけでなく、他の患者に別の感染症を移される危険があるので、家でおとなしく寝ていた方が治りは早いです。

・3つの症状をチェック

本当の風邪というのは病院や診療所に通う必要はありませんが、風邪の症状として3つの症状をチェックするだけで、風邪の判断をすることが出来ます。

3つの症状としては「咳」「のどの痛み」「鼻水」ですが、最初に1つの症状が現れてから48時間以内に3つの症状がそろえば、風邪と考えていいそうです。

特に鼻水がメインの症状である場合は、命に関わる重大な病気であるということはほとんどないそうですが、下痢や嘔吐などの他の症状があらわれたときは、風邪とは違う病気の可能性があるようなので、その時に初めて診察を受けた方がいいようです。

・風邪薬を飲むと治りは遅くなる

病院や診療所で風邪薬を処方してもらい、薬を飲むという人は非常に多いですが、薬の本当の効果を知っている人は大変少ないですが、病院で処方されている薬を飲むと「風邪の直りを遅くする」というのが本当のところです。

症状がつらい時には、対症療法として薬を飲むのもいいですが、薬局などで市販薬を飲むだけで十分効果はあり、わざわざ病院で診察を受ける必要はありません。

解熱剤・・・熱を下げる薬ですが、本来風邪をひくと熱が上がるのは、体内にいるウイルスを退治するために自身が熱を出しているので、解熱剤で熱を下げてしまうと、体内のウイルスはいつまでたっても退治されることがなく、風邪は長引いてしまいます。

咳止め・・・咳止めの薬を飲むと咳が緩和されますが、風邪を引いたときに体内にいるウイルスを物理的に外に追いやるために咳が出るので、咳を止めてしまうといつまでたっても体内にウイルスがいることになるので、風邪は長引いてしまいます。

鼻水を止める・・・鼻水を止める薬を飲むと鼻づまりは解消されますが、鼻水はウイルスを物理的に鼻水の中に閉じ込めることになりますので、薬を飲むことでいつまでたってもウイルスは体内に残ることになり、風邪は長引いてしまいます。

抗生物質・・・抗生物質は別名「抗菌薬」と呼ばれているように、細菌を殺すことは出来てもウイルスには全く効果がないうえに、むしろ体内にいるウイルスを撃退してくれる必要な菌を殺してしまい、いつまでたってもウイルスが体内に残ることになるので、風邪は長引いてしまいます。

胃腸薬・・・病院で処方してくれる風邪薬の中に胃腸薬がありますが、解熱剤、咳止め、鼻水を止める薬、抗生物質を飲むことで胃が荒れてしまうので、ついでに処方しているだけなので、風邪には全く関係ありません。

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