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Manifest Study

マニフェスト研究

07.活力政策

小水力発電の普及

地域のエネルギー政策として小水力発電の普及‐活力政策

政策提言として

水力発電の施設というと大規模で建設費用が高額となるものを想像しますが、小水力発電は大規模な水源を必要とせず小規模で比較的安価な出費で設置でき、自然環境への負荷が少なく発電出来るものです。

小水力発電は「マイクロ水力発電」や「ミニ水力発電」など、様々な呼び名がありますが、しっかりとした定義は存在せず、わずか13kgで人が肩にかけて持ち運ぶことが可能な水力発電装置もあり、ある程度の水の流れさえあればどこにでも設置できるという利点があります。

太陽光発電や風力発電よりも天候に左右されることなく発電量の変動の少ない小水力発電は、生態系を脅かす心配が少なく発電できる点にも注目が集まっており、災害時にも活躍する画期的な装置として活用できます。

背景

  • 日本は降水量の多い地域
  • 農業用水路などが発達している
  • 日本各地に小河川が沢山ある
  • 発電に適した急流な河川が多い

根本的な原因

  • 多くの地域で包蔵水量を活用できていない
  • 必要となる専門知識の多さが参入障壁となっている
  • 融資判断を支援する制度が整備されていない
  • 事前調査に費用がかかる
  • 導入実績がまだまだ少ない
  • 保守体制の整備がなされていない

質問と提言例

 作成中

小水力発電とは

小水力発電とは、小規模で発電が出来る水力発電のことで、マイクロ水力発電とも呼ばれていますが、用水路、小河川、道路わきの側溝の水流、水道など、様々水流を利用して発電することが出来ます。

小水力発電の特徴としては、事前環境への負荷が少なく、建設費用などについても少ない出費で行うことが出来、山間部、トンネル内の湧き水、農業用水路、上下水道施設、ビル施設、家庭などでも発電が可能となる点です。

小水力発電と呼ぶと難しい装置などを想像してしまいますが、水車を想像するとわかりやすいかもしれません。

◇長所

  • ある程度の水量があればどこにでも設置が可能
  • 開発余地のある場所が沢山ある
  • 太陽光発電・風力発電のように天候による発電量変動が少ない

◇短所

  • 落ち葉などのごみ処理メンテナンスが必要
  • 降雨量が少ない時期は発電量が減る
  • 洪水などの流水量が限界を超えると破損や流失が起こる

◇エネルギー回収手段として

小水力(マイクロ水流)発電は、水流のある場所であれば設置が可能であるため、工場・高層ビル・病院などに巡らされた空調・用水・排水の配管で落下する水流を利用して発電させるように、エネルギーの回収にも利用することが出来ます。

さらに農業用水路の流れを利用して発電し、鳥獣用対策として設置した装置の電源利用を行うなど、アイディア次第で様々な利用を行うことが出来ます。

◇包蔵水量とは

包蔵水量とは、エネルギーとして利用可能な水のエネルギーのことで、包蔵水量の大きい順に岐阜県・富山県・長野県・新潟県・北海道と続いていますが、主に雪解け水が得られやすい地域で、一定量の水を長期にわたって発電に利用することが出来ます。

◇小水力発電の導入事例

・河川

京都を代表する観光地である、嵐山・渡月橋の夜を飾っている証明の電力として桂川の水量を利用していて、交通事故の防止や防犯などに役立っています。

標高1,300mと標高が高く電化が進まない長野県の温泉街である蓼科では、1954年に建設されて長きにわたって電力を供給していますが、老朽化や維持管理の問題で一時は休止に追い込まれますが、現在もずっと稼働を続けています。

・農業用水路

山梨県北杜市 六ヶ村堰水力発電所 は、川俣川の利水である村山六ヶ村農業用水」の全長約16kmの用水路のうち、山間部を通過する用水路の上流で取水し、約1.3kmに渡って導水して落差約85mを使って発電しており、 峡北地域広域水道企業団大門浄水場に供給し、年間電力を賄っています。

那須野ヶ原土地改良区連合(水土里ネット那須野ヶ原)が管理している、那珂川上流で取水した那須野ヶ原地域の約4,500haの農地に供給する灌漑施設の水流を利用して、発電した電力を農業用施設の使用と余剰電力の販売で水路維持費の一部としています。

・砂防堰堤(えんてい)

山梨県金山沢川水力発電所は、堰堤上流部の堆積物内に取水口を埋没させ、水を浸透させ取水する浸透水取水方式と、堰堤の下部に穴をあけそこから導水する堰堤穴方式という取水方式を採用することで、既存の堰堤のみを使った取水方式を可能にしたもので、堰堤への取り付けによる工事費の抑制を検証した事例です。

熊本県清和水力発電所は、青葉の瀬にある既存の砂防ダムを利用し、約300m下流で発電しており、周辺施設の年間電気料金約1,000万円程度に対して売電収入が約900万円と、公共施設の電力自給という方針に沿ったものになっているそうです。

・水道用水

福岡県瑞梅寺発電所は、瑞梅寺浄水場のダムから浄水場着水井までの間での落差を利用している発電しており、発電開始1年で浄水場使用電力とほぼ同じ実績を上げ、計画地を上回る良好な発電状況になっているそうです。

・工場やビル内

NHKでは、経営方針の一つとして掲げられている環境経営に基づいて、放送センター内のスタジオや事務室等を冷暖房する空調設備の配管に小水力発電設備を導入しています。

ビル内の空調機を冷却するために使われる、地下にある蓄熱層に溜められ、ポンプを使って上層階への流れ、パイプを通って地下の蓄熱層に落とされる循環水を利用して発電していますが、全て建物内設備で消費されています。

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