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マニフェスト研究

04.教育政策

和製英語からの脱却

和製英語からの脱却‐教育政策

目次

政策提言として

英語が苦手な日本人というのは本当に多いですが、英語教育としては中学から高校まで6年もかけて行わているにも関わらず、英語能力自体はほとんど習得されていない原因の一つとしては、和製英語と呼ばれる何となく英語っぽいけど本来の英語の意味とは違う使い方がされていることが問題と考えます。

小学校から英語を学ぶ学習カリキュラムの変更で、「読む」「書く」が中心だった英語教育は「聞く」「話す」という技能に関しても重視するようになりますが、それでも日本だけで使われる本来とは意味の違う「英語っぽい」単語は混乱を招く恐れがあります。

日常生活に深く浸透してしまっている単語も数多くありますが、少しずつでも本来の意味に近い形で単語が使われるように対策していく必要があり、グローバル社会で後れをとらないように地道な活動で浸透させていくことが重要です。

背景

  • 日本人の英会話能力が低い
  • 英語に苦手意識を持っている人が多い
  • 6年間の英語教育が身につかない

根本的な原因

  • 和製英語が本来の英語と意味が違う
  • 和製英語は日本語だという認識がない
  • 本物の英語に触れる機会が少ない

質問と提言例

 日本では中学から高校で6年間にわたり英語教育がされていますが、学習内容が「読む」ことと「書く」ことを中心に行われており、「聞く」ことと「話す」ことに対しては無いに等しい状況のため、ほとんどの方が英語を習得できずにいるという現状があります。
 英語学習に関しては、小学生から英語教育が始まり、今までの「読む」「書く」中心から「聞く」「話す」を加えた4技能の学習内容に変わることになっていますが、今まで生活の中で使っていた言葉と本来の意味が違うことによる難易度の高さは変わらない状態は続いていると考えます。
 その原因の一つとして「和製英語」と呼ばれるものがありますが、例えば「condominium」は日本語で分譲マンションのこと、「apartment」は日本語でアパートやマンションのこと、「mansion」は日本語で豪邸のことなどのように、和製英語の意味と本来の意味が違うという事態は非常にややこしくて混乱が生じてしまい、英語の学習難易度を高めてしまいます。
 さらに、日本ではやたらと横文字を使いたがって至る所で英語っぽい言葉を目にする機会がある割には、本物の英語に触れる機会が少なく、正しい意味や発音を知る環境にない現状に問題を感じます。
 生活の中で定着してしまっている言葉を周囲していくことは非常に難しく、長い年月がかかることだとは思いますが、グローバル社会の実現に向けて、少しずつでも正しい言葉の使い方を広めることが重要であり、地道な活動を続ける環境づくりをする必要があると思います。
 そこで、行政の行う業務の中で、横文字を使う際に本来の英語に沿った使い方に直し、さらには正しい使い方を広めるための対策について質問させていただきます。

和製英語とは

和製英語とは、日本語の中で使われる和製外来語の一つで、日本の中で日本人によって作られた英語に似ている言葉であり、英語圏では別の表現をするために理解されなかったり、まったく別の解釈されたりする場合があります。

和製英語の種類として、「フォアボール」「ベースアップ」「レベルダウン」などの外来語を組み合わせてできた造語があり、正しい英語としては「base on balls」「pay raise」「level decrease」となります。

既存の語形を省略して作ったものもあり、「ワープロ(word processor)」「パソコン(personal computer)」「エンゲージリング(engagement ring)」のようなものもあります。

激しい小競り合いで使われる「デッドヒート(dead heat)」は本来の意味は「同着・単独の勝者のいないこと」など、形はほぼ同じものが英語にはありますが、意味が本来の英語とは異なるものになり、和製であってたまたま同語形が英語に合った場合と、日本語圏で意味が変化したものあります。

和製英語の定義はあいまいな部分もあり、「なおす」=「片づける」、「なげる」=「捨てる」など日本語でも地方の方言によって同じ言葉でも意味が違うことがあるので、意味が違うだけでどこまでを和製であるかというと正確には定義できません。

「ナイター(night game)」などの完全に日本でしか通じない和製英語は、正確に言うと英語っぽい日本語なのですが、「アンケート」や「アベック」などのフランス語からきている場合や、他の外来語由来の言葉もあることから、カタカナ語という日本語として定義されることもあります。

ちなみに、諸説はあるものの焼き肉の「ホルモン」は関西の「放るもん」が語源とされる言葉で、そもそもが日本語なのに和製英語にような感じを受ける言葉もあるようです。

◇日本語圏での一般的な造語(一部抜粋)

  • 「アウトコース(outside)」
  • 「イメージガール(promotional mode)」
  • 「オートバイ(motorcycle)」
  • 「ガソリンスタンド(gas station)」
  • 「クレーム(complaint)」
  • 「テレビゲーム(video game)」
  • 「バックミラー(rearview mirror)」
  • 「イートイン」
  • 「ラッキーゾーン」など

日本の英語教育の問題点

◇使い方に〇か×を気にしすぎる

受験をするための英語として、単語や文法中心の英語教育を行ってきたせいで、冠詞を「a」か「the」のどちらが正解か迷い文法的に正しいかどうかを気にしすぎるあまり、英語に自信が持てず苦手意識だけが先行してしまいます。

単語一語一語にこだわり、英語の文章を日本語訳に置き換えようとするために、大筋のざっくりとした意味は分かっているのに不正解になってしまうという教育がなされているため、英語学習に消極的になってしまいます。

単語の意味を無理やり日本語に置き換えようとするものもあるため、そのまま直訳するとおかしな文章になり、正しい日本語の文章に修正しようとする作業も英語の難易度を上げる要因になっています。

◇会話能力が極端に低い

「読む」ことと「書く」ことを中心の英語教育の影響で、英語での会話することに対する能力が極端に低いことも問題ですが、本物の英語を体験して英語で話す機会が少なく、正しい発音を学べなないことが原因だと思います。

外国人の片言の日本語でも、何となく意味は通じるものなので、多少単語の意味が違っていても、文法が間違っていても、大筋の意味が伝わるような会話能力を身に着ける方が、グローバル社会に適応できる英語教育となります。

日本語と比べると英語は比較的習得難易度の低い言語と呼ばれていますので、6年も学習していれば習得は難しくないはずなんですが、それでも日本人が英語を習得出来ていないのは、教育方針の問題もさることながら、日本語化している和製英語の存在も少なからず影響しています。

ちなみに余談ですが、「今日は1月1日で日本の祝日、昨日から2日間晴れてて日光が気持ちいい日です。春日くんと宮崎県日向市に来ていて、これから京都の向日市に帰ります。明日は日曜日、休みは一昨日から明後日までです。」という文章は日本人にとってはそれほど難しくない(全部読めましたか?)ものですが、外国人にとっては16個の「日」の読み方が全て違うという恐ろしく難易度の高い言語なのが日本語なんだそうです。

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