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政治的コラム

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就職氷河期世代と引きこもり問題

第二次ベビーブーム世代の就職氷河期がもたらした中高年の引きこもりと5080問題

2019年現在、中高年の引きこもりに関する報道が多くなってきました。
50代の無職の息子と80代の父親との暴行事件などのいわゆる5080問題ですが、高齢の親が中高年のひきこもりの子供のことを心配する連鎖が広がっているのかもしれません。

遅すぎる対応策

政府は「就職氷河期」世代に対する対策の検討を開始し始め、「人生再設計世代・就職氷河期世代支援プログラム」により、3年間で30代半ば~40代半ばの氷河期世代の正規雇用者を30万人増やそうとしています。

しかし、該当する世代の人たちからは「もう遅い」という声が聞こえてきます。
20代の若い時であればやり直すチャンスはいくらでもあったと思いますが、今更支援を行うといっても気力や体力が衰えた段階では、支援の効果は薄くなってしまいます。

とはいえ、遅すぎる対応だとしても「何もしない」よりは良いのかもしれません。

団塊ジュニアの現実と苦悩

第二次ベビーブームの「団塊ジュニア」世代で最も人数の多い1973年生まれの人々からはしみじみとした空気があります。

この団塊ジュニア世代は、もう少し上の世代がバブル期の好景気により「一流企業」の内定(青田買い)を次々と取っていたり、高額の給料(数か月分のボーナスなど)をもらったりしていた話を知っています。

しかし、大学に進学する頃にはバブルは崩壊しており、大学卒業に近づくにつれ就職氷河期に突入していました。
しかも、現在ほど大学の数自体も多くなかったうえに、就職に有利とされる上位校の定員は変わることもなかったので、別の年であれば合格できたであろう大学にも入れない現実が待っていました。
その結果、人気企業に就職できないばかりか、内定すら取れずに就職浪人の道を選んだものも少なくありません。

翌年も就職活動を続けていても、ライバルが多いうえに留年がハンデとなり、正規雇用の機会を失っていく人も多かったです。

運よく正規雇用を勝ち取った人たちも、脱落していく同級生の姿を見てきているので、「人数が多く損する時代に生まれた」「別の年に生まれていれば引きこもらずに済んだのでは・・・」といった感情が存在し、一方的に引きこもりに対する非難を浴びせる気にはならない苦悩が存在します。

自分よりも若い正社員が上司となる現実

団塊ジュニア世代の人たちは、それでも小さな会社などに就職したり、フリーターとして何とか仕事をしていましたが、自分の望む仕事にはなかなか就けない状態が続いていました。

その後、30代半ばくらいになると若い世代が正規雇用で会社に入れる時代に変わっていきましたが、この頃になると正社員で入ってきた若者が上司となっていったわけです。

定年後に再雇用された従業員も若い上司に指示を受ける現実はありますが、団塊ジュニア世代は定年前から同様の扱いを受けているのです。

手に職をつける機会もなく非正規雇用で食いつなぎ、気が付いたら「人材の売り手市場」となった頃に就職活動をしていた若い世代が出世していく様子を見てきたのが氷河期世代です。
政府が今になって「30万人雇用」のビジョンを示しても、ずっと非正規雇用で働いてきた者がいきなり正規雇用で雇われても、どんな仕事ができるのかという問題もあり、引きこもり状態からの脱却はさらに困難な問題です。

そういった苦悩の日々が続いていたことで、引きこもりの道を歩んでしまった人が少なくないのがこの世代であり、中高年の引きこもり問題の要因の一つとなっていったのです。

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